2010年7月7日水曜日

更新:IPA (独立行政法人 情報処理推進機構) の公表(2010/5/20) した「IT人材白書2010」を読んで。

5月後半に公表されたIT人材白書2010を読んでちょっと意外だなぁと思いました。

白書の内容は以下の通りいろいろと多岐にわたっているのですが。。

◆IT人材の動向
1)IT人材の需給バランスの変化
2)職種ニーズに変化の兆し
3)本格化するグローバル人材の活用

◆IT人材育成施策の現状と今後の期待
1)新たな発展段階に来たスキル標準の普及
2)成果が求められる産学連携教育
3)ビジネスに求められるIT活用力

◆IT人材の意識と環境
1)実態とは異なる3Kイメージ
2)IT人材個人の不安原因は将来の不透明さ
3)将来を支える専門性の追求が飛躍への道

人材育成に関する調査結果については弊社の製品でもフォーカスしているので興味深く読みました。
そこでちょっと意外に思いました。

人材育成において、企業はまず自社で保持している人材がどんなスキルを保有しているのかをある基準で見える化する必要があるといわれています。

自分の会社にどんな人がいるかもわからなければ、適材配置もできなければ採用計画もままならないですよね。

まあ当たり前のことですが。。この当たり前のことがなかなかできない。。

特にIT人材というのは基準となるスキルが多岐にわたり複雑で変化が激しいためなかなか基準を作るのも難しいとされています。

IT人材の育成指標として経済産業省とIPAが以下のような「スキル標準」を提供しています。

・ITスキル標準(ITSS)
・情報システムユーザースキル標準(UISS)
・組み込みスキル標準(ETSS)

ITSSが一番歴史があって2002年12月に経済産業省から公表されています。

ITベンダー向けというスキル標準ですが今回の調査(2009年調査)で大企業(従業員規模1001名以上)には、ほぼ普及が浸透したという結果が出たそうです。



<ITSSの活用状況(IT企業)> 出典(IPA)  IT人材白書2010


この結果は小職としては非常に意外でした。

ITSSのスキル標準はITプロフェッショナルとして11の職種(ITアーキテクト、コンサルティング、セールスなど)が35分野に分類されてレベルも7段階とかなり細分化されています。

ちなみに弊社の人材スキル管理製品でもITSSフレームワークをサポートしていますのでスキルコンテンツを定義してみると。。。

ITアーキテクトのレベル7などの定義では、そこまでの技術者がはたして日本に存在するのかなぁと思えるようなハイスペックに感じます。

つまり人材像という理想から定義されたスキル標準なのでどうしても現実離れしてしまうというのが実感です。

今回の白書の中では「ITSSを利用しない理由(IT企業)」という設問で調査結果も掲載されていますが、上位2つの回答が以下の2つです。

・35.4% ITスキル標準が自社の業務内容と合わないから
・31.6% ITスキル標準を活用しなくても、独自の人材育成体系や基準があるから


<ITSSを利用しない理由(IT企業)> 出典(IPA)  IT人材白書2010


この結果を見ると私と同じように感じている企業も多いのかなと思いました。
すでにITSSを活用しているという大企業もそのままのフレームワークを利用するのではなく自社に合わせたカスタマイズで試行錯誤しているのだと思います。

ITスキル標準はあくまでも指標として参考にする形で自社にあった人材スキルフレームワークを作ることが企業にとって必要なことですね。

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弊社ではITSSやUISSに限らず自社に合わせた人材スキルフレームワークを柔軟に構築できるWebアプリケーションパッケージを販売します。後発の良さを生かしてかなりカスタマイズが簡単な仕組みにしたので、ITSSなど以外にも自社の間接部門の業務スキルフレームワークの管理でもノンプログラミングで自在に定義可能です。お気軽にお問い合わせください。(^^)v

p.s.
IT人材白書2010で掲載されている調査結果の画像も抜粋して紹介したかったのですが。。権利の問題もあるので現在利用許諾をいただけるかIPAに問合せ中です。OKが出たらこのページに画像を貼り付けます。

==>すぐにIPAさんからOKが出ました。

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